ヘバーデン結節の歴史
「ヘバーデン結節」の由来
ヘバーデン結節という病気を初めて報告したのは、
イギリスの医師、William Heberden医師(1710〜1801)とされています。
そのHeberden博士に因んで「ヘバーデン結節」と呼ばれるようになりました。

Heberden医師が報告したのは1802年。随分と古くからこの指の病気を発症し、困っている人がいたのだということがわかります。
その頃日本では、江戸時代が4分の3ほど過ぎた頃でしょうか。江戸時代が終わり、明治、大正、昭和、平成と随分と時が流れても、「ヘバーデン結節」という病気は今も多くの方が発症しています。
しかし、不治の病のように言われていたヘバーデン結節も、今では対処法や治療法が見つかり改善へと繋がっています。
対処法では、湿布や薬などの痛みを抑えるもの、指に負担をかけないような局所のテーピング、温熱療法や、電気治療などがあり、注射や手術なども行われるようになりました。
最近では東洋医学の治療法も注目を浴び、漢方やツボ、針、整体などの治療も行われています。
日本では「指曲がり症」と呼ばれていた
ヘバーデン結節は、今のように多くの人がこの病気を知っているわけではなく、歳をとれば指の関節がゴツゴツしてきたり、指先が曲がってくる人もいるといった認識でした。
また従来の医学でも、老化に関わる病気、老化現象として扱われていました。
日本では最初、学校給食女子調理員に多発している「指曲がり症」として知られるようになりました。
それまでの歳をとってから指が変形するのは、「老化の影響」というだけでなく、仕事や職業も関与して発症するのではと考えられるようになったのです。
1983年に自治労が岡山県の学校給食職員に第一関節に指の腫れや痛み、変形などが多く発症をしていることで、岡山大学に調査を依頼し、それ以降、職業上の理由で指が変形したものを「指曲がり症」と呼ぶようになりました。
仕事が影響しているとわかり、労災が認められることもあったのです。
指曲がり症には、ヘバーデン結節の他にも、
第2関節に症状が出る「ブシャール結節」なども含まれます。
給食調理員の他にも、
・製紙工場従業員
・ピアニストなど楽器演奏者
・綿摘み業務
・苗床業務就労者
・その他、過度のスポーツを行う人
などの人に多く発症していたという報告があります。
また、製紙工場で働く人や給食調理業務に携わる方を対象とした原因調査なども行われてきました。
近年考えられている原因
ヘバーデン結節は、40代以降の女性に多く発症していることもあり、老化や指の酷使などが原因と考えられています。
また、原因調査をする中で、職業との関連があることが認められ、さらに利き手に発症している人が多いこともわかってきました。
その後、現在までに、遺伝の関係、女性ホルモンの減少、腎臓にかかるストレス、体のゆがみなどの原因も考えられるようになりました。

(ヘバーデン結節 症状:女性 50代 小指の第1関節が一番痛みと腫れがひどく、人差し指から薬指まで全て痛みを伴う、腫れや痛みの他に指の動かしづらさなどを感じる)
Heberden博士の報告から200年以上が経っている指の病気、「ヘバーデン結節」。
現在は病院以外でもヘバーデン結節の治療法はあります。
実際にご自身で試され、治療を続けられると思うもの、自分の体に合ったものを選択できるようになったのです。
そのためにも、ヘバーデン結節に関する知識や情報は知っておかなければなりません。
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